自民党の退廃により親中政権が誕生した。
中国政府内で日本をどうするのかが検討された。
反対意見も出たが、やはり彼らの運命は変わらなかった。
500年続いた植民地による西欧の世界支配。
これを単独で打ち破り、戦後も目覚ましい経済発展を遂げた巨人。
中国共産党の指導者が持つ強い恐怖心が、日本民族消滅を計画させた。
彼らが目を付けたのが、日本の豊かな水源だった。
水を失えれば、日本は社会の根底から壊れるはずだ。
ついでに安全な日本の水を中国本土に運ぶ極秘パイプラインも計画された。
高級幹部と一部の富裕層が住む”日本の水が飲める街”を造るのだ。
中共の傀儡政権が誕生して数年ほど経った頃、突如として奇形児の出産が増え始めた。
最初は農薬の影響、化学物質による遺伝子の損傷など諸々が疑われた。
専門家らが血眼になって原因究明に努めたが成果は乏しかった。
これは実は自然現象などではなく中共直属のある機関が水源に薬物を投下していたのだ。
数日で分解され、一見汎用な物質に見えるこの薬は実に良く出来ていた。
どの大学・研究機関でも見つけることができなかった。
尤も中国の工作が既に入り込んでいたが。。。
増加する奇形児に人々は出産を手控えるようになった。
暫くして政府は水源に疑いがある旨発表した。
同時に全国に取水制限と給水制限を実施した。
人々はパニックを起こし我先に海外から水を購入し始めた。
国内の農業畜産業は壊滅し、食料品も全品輸入に頼り始めた。
海外からは足元を見られ輸入品は全て高額化が進んだ。
急激に円安が起き、急激なインフレに見舞われた。
倒産・破産が日本国中を襲いたくさんの犠牲者を出した。
経済は破綻寸前まで進み、恐怖した人々は更に出産を控えた。
国連からは10年内に日本人は消滅するとの予測が出された。
パイプラインが完成した頃薬物の投下が中止された。
海外に移住した日本人もいたが大部分は国内に留まっていた。
これと言った産業はなくなったが人々は再出発を始めた。
ただ人口はかつての100分の1まで減り、どこの国からも脅威とは見なされなくなっていた。