第四章では、ミッドウェー海戦の艦船数を比較している。
山本五十六;世界最強連合艦隊
総計353隻(空母8、戦艦11、ほか)
ミニッツ;太平洋艦隊
総計57隻(空母3、戦艦ゼロ、ほか)
この戦力差で山本は完敗している。
しかも、山本はこの海戦後、”敗因研究会”を開かない。
その結果、山本以下参謀らの責任は誰からも追及されることがなかった。
ちなみにミッドウェーの大敗北の事実は戦後になって発表される。
日本国民、陸軍、陛下の誰一人として、連合艦隊が開戦から半年で壊滅したことを知らなかった
それどころか、ミッドウェー海戦は山本の大成果と発表され、彼の死後大勲位、正三位の上国葬になった
大敗北と海軍の信頼失墜
これが国民にバレるのを恐れて山本は英雄にされたのだと言う
山本が今も称賛されるのが、戦艦無用論と航空主兵論だ
しかし実際は戦艦の艦砲射撃は航空機1000機に匹敵するくらい強力だった
戦艦大和も護衛の戦闘機がいない為、あっさりと撃沈されてしまう
真珠湾攻撃でも重油タンクや修理工場、ドッグなどのインフラを破壊しなかった
そのおかげで米海軍は速やかに艦隊を太平洋へ派遣できたと言う
大成果と思われたが、やっぱり大マヌケだった
甲標的による九軍神の話しも悲しい
戦死の危険は誰にでもあるのは仕方ないが、最初から生きて戻れない作戦とは神風特攻と同じである
若者の命を犠牲にして悦に浸る無責任な戦争指導者たち
著者は山本の小心を非難する
成功率ゼロ%の無意味な作戦を実行したのは、弱い心やバランスのなさだと指摘している
しかし山本の低い能力や気性を知ってて彼を司令官に押し出した人物は誰なのか
本書で更に驚いたのは新聞と国民の態度だ
九軍神と称えられ、新聞では遺族を賛美するあらゆるでっち上げが書かれた
他の戦死者たちと何ら変わらない犠牲なのに特別待遇で持ち上げられ
そして戦後になると、遺族は新聞にも民衆にも叩かれる
戦後は、戦争の全てが憎しみの対象にされた
戦争賛美していた作家は戦後、自分の作品に修正をかけた
これも裏切りだ
ミッドウェー海戦後のガダルカナル島の攻防もい号作戦も愚戦が続いた
航空戦も艦隊戦も無謀極まり、戦力が消耗しただけだった
損を取り返そうと焦った博奕打ちと同じだ
自害すらできない小心者
ただ著者は山本は積極的には自殺できなかったが
その死の可能性を求めていたと推測している
無能な愚将だが、ウソを止めて国民に真実を伝える勇気があれば
あれ程の若者が死ぬことはなかったと憤慨している
2011年3月15日に、三村文男(みむらふみお)没
平家物語のような本を書きたかったそうだ
日本人なら知っておくべき傑作だ